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清壽木屋町物件(南側)

昨年の3軒の町家やお茶屋につづく繁華街での改修工事。先斗町に抜ける隠れた路地があります。2階の濡れ縁にと大屋根の庇を加えると2mのキャンチレバー。明治以前の全天候型アーケードが24m続きます。
景観まちづくりセンターの京町家まちづくりファンドの助成を得て直し、その上で景観指定を目指します。

  • 戦後の覆いものを取払って樋を銅板で新設。ひさびさのベンガラ塗の夜なべ。しかも雨!
  • 濡れ縁の桔木の揚げ前中。村上Jr.君。
  • 2階濡れ縁。アルミサッシやサイディングを撤去し、縁甲板、欄間や木製建具を復旧。
  • 1階の出格子。角柱のキズは幕末の志士本間精一郎が襲われた際の刀傷と言われます。建物自体が江戸期までさかのぼるかはもうすこし調査が必要です。しかし当時の出格子が活かされている可能性も十分考えられます。 イケメン新顔の板金屋さん。銅板はあんまり触らないそうですが十分です。
  • 木屋町側建物大屋根東流れの小屋組復旧。 従前の店子が3階の一部を増築をしていました。その屋根を戻しています。右手奥に見えるのは明治時代の3階。
  • 先斗町に至る東西の連棟の瓦屋根。一部所有者が代わり、増築や板金やで雨漏れも進んでいます。早めの手当てが必要です。いきなり呼び出された電気屋の浦谷さん、アンテナ撤去。
  • 木屋町側正面の解体中。1階はたん熊北店の駐車場。明治28年の市電開通時の軒切りで1階庇はちんちくりん、大屋根も軒の出が浅く額が大きくなっています。施主の祖父のレイテ出征時の写真が復元のもとになりました。
  • 駐車場にする際に集成材と鉄骨に代わっていたヒトミ梁を8mの地松に入れ替え。辻工務店ならではの構造改修。動画も撮影してましたが、最後はカケヤのアテ木持ちに動員されました。応援エースの高田君。
  • 戦中の写真をもとに戦前の下見板貼を復元。庇のコンパネはあくまで銅板庇の養生です。
  • 足場が取れて木屋町側全景。電動シャッターは当面ペンキ塗りでの修景です。大屋根棟下の不陸と段差も西流れの瓦葺き替えまでの仮の姿。
  • 全景南より。2軒北側の物件は昨年中に引き渡し済。N.Y.の香水屋さんがテナントだそうです。